いろりばた 観望庵(髙島秀行)

IR法案なるものが議論されている。俗称カジノ法案と言われている。世に公営ギャンブルの競輪、競馬があって、カジノが何故違法なのか、素人目にも不思議である。そこに出入りしたということで、可愛そうに、先のリオオリンピックの男子バドミントン選手は、出場停止になった。

観望庵など年配者は、花札、麻雀など賭けて当然だった。そう思っていたら、最近女性用(?)に賭けないでやる健康麻雀というのがある由、さぞ面白くないだろう。賭博は、国や若者を害するか?

いずれも自己責任を負える大人のレジャーである事は確かだが、歴史的には全くの否である。

昔、竹内久美子が「賭博と国家と男と女」という面白い本を書いていた。一口で言えばおしなべて国王を頂く国は賭博OKであり、そうでない国は認められてない。何となれば、君主国の成り立ちは、賢い賭博の胴元が吸収合併を繰り返し、大きくなり結果的に軍事力も大きくなっていく、そのテリトリーが国王の領土になり、世襲制を布いたからだそうだ。

それが故、大英帝国では、何でも賭けの対象にする私営のブックメーカーは、直営(公営)の販売所より、遥かに多く、大衆化しているそうだ。

わが国最古の賭けは、古事記にある。天照大御神が暴れ者の弟須佐之男命の突然の来訪を受け、ウケヒ(神意を伺う賭けの事)をする。須佐命は天照の勾玉をかんで口から出し五柱の男子をなす。天照は須佐命の剣をかんで女神をなす。通常男が生まれたら邪念がない、女の子が生まれたら邪念有りとされたのだが、天照が突然、わが勾から生まれた男は吾子ぞ、と言う。須佐之男命は、わが口から出した故吾子ぞ、とわめき暴れまくる。

どちらでもいいような話だが、実はこのウケヒは重大な賭けなのである。ご高承のように、天皇家の祖先は天照大御神に繋がり、伊勢神宮に祀られている。しかし、天照大御神は女性である。どうやって万世一系男系の天皇家に血筋を繋げるか?この場面は、作者の苦心の作なのである。

髙島秀行

 

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