寺倉 修

「開発設計の教科書」

日経BP社 初版2019年12月、初版

著者 株式会社ワールドテック 寺倉 修

 

自動車業界は100 年に1 度、いや130 年に1 度の変革期に突入した一一。loT (Internet of Things) や人工知能 (Al) 、第 5 世代移動通信システム(5G) といった新技術が登場し、ものづくりの世界を劇的に変えつつあります。自動車メーカーはCASE(ケース)、すなわち「コネクテッド (Connected) 」「自動運転 (Autonomous) 」「シェアリング(Sharing)」「電動化 (Electric) 」の開発を加速。自社や系列企業との連携にとどまらず、テックカンバニーと呼ばれる国内外のIT企業など異業種とも租極的に連携を開始しています。

しかし、どのような技術が登場しても、製造業の基本に変わりはありません。それは、競合企業に対して品質やコストなどの面で「優位性」を確保し、顧客の「信頼」を保ち続けることです。この普遍的な課題の要となるのが設計です。そのためには、「設計段階で品質とコストの 80 %が決まる」という現実を踏まえ、それにふさわしい取り組みを実践することが不可欠となります。

設計段階の取り組みは大きく2つに分けられます。「先行開発」と「量産設計」の取り組みです。本書は、これらの取り組みを、それぞれ豊富な事例を挙げながら体系的に解説し、普遍的なプロセスとして身に付くように構成しました。

それでは、先行開発の取り組みとは、どのようなものでしょうか。ポイントは2 つです。[ 1] 「世界 No.1 製品」を実現し得るダントッの目標値(ダントツ目標)をいかに決めるか、[ 2 ] 技術的なめどをどのよう に付けるか、です。これらについては3第章で取り上げます。具体的には、先行開発の全ステッブや、ダントツ目標の満たすべき要件、達成を阻害する要因の打破などについて詳しく説明します。

さらに第 3 章では、世界No.1 の製品への取り組みの豊富な事例を紹介します。ダントツ目標を設定した取り組みは意外に身近にあるという例や、世界No.1 製品の開発例、ダントッスピードの開発例など、

さまざまな切り口で取り上げていきます。

第3 章に続き、第4 章では昼産設計の取り組みを説明します。こすれ は、先行開発でめどを付けたダントツ目標で掲げた品質を“120% ” まで高める(100 万個造ったとしても1 個たりとも品質不具合を出さない)ための活動です。具体的な事例を使い、量産設計のプロセスや 技術的な知見、評価基準など「7つの設計力要素」を説明していきます。

さらに第 4 章では、梃産設計プロセスについて解説します。すここでは“120%"の品質を達成するために考慮すべき課題や、品質不具合を 未然に防ぐための開発の進め方、過去の品質トラブルから学んだ教訓を次の開発に反映する手法などを具体的な設計事例に基づいて学ぶことができます。

これらの取り組みを生かし、かつ継続して伸ばしていくためのポイントを第5 章にまとめました。デザインレピュー(DR) と FMEAを例に解説します。設計段階の取り組みの形骸化は、ものづくりにおいてトラブルはもちろん、不正を引き起こす要因となり得ます。形だけの取り組みをやめ、開発設計を進化させる方法についても触れます。

第 6 章では、世界一を目指した多くの経験者の言葉を取り上げ、世界 No.1 を目指す設計者のあるべき姿について述べます。

以上のように、製品開発は、2つの設計段階(先行開発、量産設計)の取り組みの強化が相まって、製造業として成長することが可能となります。

ものづくりが変革期を迎えた今こそ、基本に立ち返った取り組みがより一屈重要となっているのです。

世界N0.1 製品を狙う設計者を狙い、本書を活用して頂ければ幸いです。

寺倉 修

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