夢を描けるか、日本のインフラ事業の行方 連載開始にあたって

技術経営士ジャーナルの第二弾の特集は「夢を描けるか、日本のインフラ事業の行方」というタイトルでインフラ事業を取り上げたい。

 

昨今は、インフラ事業が世の中の話題を呼んでいる。台風の被害への対応から国土強靭化対策が喫緊の課題になり、運輸交通ではリニヤ新幹線や高速道路のリエンジニアリング、エネルギーでは再生エネルギー、通信ではデジタル化、5Gへの対応、海外への輸出では、原子力発電、新幹線、水ビジネス等々枚挙にいとまがない。

 

インフラ事業の特徴は巨大な投資が必要となることであり、その資金の調達も課題だ。また永遠に使用するものだから、時代と共に変わる生活環境の変化にも耐えられ、技術革新への対応も必要である。更に保守の問題、リエンジニアリングも考えなくてはならない、そして最後は料金設定の問題がある。

 

また、インフラ事業はその公共性と巨大な投資を伴うことから、その経営形態も議論となる。「誰が・何時・幾ら使ったかが分かる事業は民間でやるべきだ」という受益者負担の原則と、「公共性の高い事業を、金儲けの手段にしていいのか?」という議論である。更には海外での事業となると、国の支援も必要であり、ナショナルフラッグとしての機能も期待されるなどもインフラ事業の特徴である。

 

幸いにして技術経営士の会には、国土・鉄道・通信・電力・水道等のインフラ事業に携わった会員が多くおり、しかも事業の運営・建設・製造メーカー・研究開発・海外輸出等、具体的な分野の課題に取り組んだ経験者達である。

 

そこで、この経験から遭遇した多くの課題を網羅的に集め、世の中に「私ならこうする」という提言を特集したい。今までは個別的には深い議論がされてきたインフラ事業について、網羅的にインフラ事業全体について経験に基づく見識を開陳し、実のあるインフラ学のようなものの端緒になることを期待している。

 

島田博文

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