東京工業大学「CUMOT×STAMP 連携プログラム」―組織の成長に欠かせないベンチャー精神- ~大企業における組織の再活性化~

講師:海野 忍
元 NTTコムウェア株式会社 代表取締役社長
現 技術経営士

 

2021年1月26日、東京工業大学が開催している「CUMOT×STAMP 連携プログラム」において、「組織の成長に欠かせないベンチャー精神~大企業における組織の再活性化~」と題し、16名の学生を対象に、オンラインにて講義を行った。

1.組織の肥大化により発生する様々な問題について解説

企業が発展し、その結果として組織が肥大化すると、様々な問題が発生してくる。意志決定が遅くなり、リスクのある新規事業が起こしにくくなり、上司に従順な社員ばかりが重宝がられる、といった状況になりがちだ。

組織が大きくなると、自分自身の立場、責任などが不明確となり、全社の目標は見えなくなる。これがベンチャー企業では全員が一丸となって全社目標を追求できる。大きい組織しかできないことが中小企業ではできないことは諦められるが、中小企業でできることが大企業ではできなくなるのは、なんとも悔しい。これを防ぐにはどうすればよいか、をテーマにした。

2.ハード面、ソフト面の両方から解決方法を提案

ハード面では、組織を小さくして個々に独立性を持たせ、かつ各小グループ間で協力し合える仕組みを作ることを提案した。会社全体を、「何を売るか」と「誰に売るか」のマトリックスに分割し、その交点に事業責任者を置き、独立組織のようにする。ただし蛸壺化を防ぐために、製品全体、顧客全体の責任者を上司として配置するアイディアである。

ソフト面では、人間の心理をよく理解してコミュニケーションを上手に取るようにすることの重要性を訴えた。相手は自分の思うとおりには動かず、自分のしたいことしかしない。それ故、相手がそれをしたいと思いこむような環境を作ってあげるのが上司の役割であると説いた。

3.学生だけのチームディスカッションで大組織故の問題点を指摘

講義途中で、学生4名ずつのチームを4つ作り、それぞれで自社が抱える大組織故の問題点を話あってもらった。時間が十分にはなかったにもかかわらず、仕事の割り振り方の非合理さ、上司との意思疎通の困難さ、エゴイスティックな社員個々の行動などの問題が指摘されていた。

 

最後に…

講義終了後のQ&Aでは、多くの組織が関連することによる意志決定の複雑さ、新規サービス開発におけるリスクテイク、新規事業と既存事業の衝突、といった問題が提起され、小生の体験からの解決案を示して理解していただくことができたと思う。

オンライン講義は、資料を見ていただきながらの説明がどのように受け取られているのか、顔を見て判断できない点は非常につらい。ときおり、クラスに質問を投げかけ、手を挙げてもらったが、ZOOMの画面の切り替えは相当に面倒だった。

それでもZOOM機能で手を挙げた学生の人数などはすぐに把握できるのは便利だった。やり辛い面はあるものの、遠隔地の方も参加できるメリットや、小グループでの議論ができる点を活用すれば、今後の講義スタイルとしておおいに有効であると思った。

3 件のコメント

  • 東工大で更なるご活躍願っています。
    ZOOMでチーム別にブレークセッションは結構大変だったと思います。カメラがないと受講者の表情が分からないのも講師としては
    不安材料、などよくわかります。
    私も仕事で研修の講師をしています。企業人相手ですが、
    グループ別に議論してもらい、発表、講師が好評のスタイルもあります。しかし、講師が一方的に話す研修がやりやすいです。

  • 問題提起「大企業における組織の再活性化」とその解決策提言、全く同感です。
    「スモール・イズ・ビューティフル」機能別組織の規模適正化と
    「創る(開発)→作る(生産)→売る(販売)」の早回しが
    重要と認識します。

    • 岡野 様
      海野でございます。コメントをお送りいただき、ありがとうございました。
      製造業の御専門である貴殿からお認めいただけることは、ITサービス産業におります小生にとって、ご提案した方法は業態に関係なく普遍的に使えることを意味しているかと感じ、うれしく思っております。今後ともご指導のほど、よろしくお願いいたします。

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