信州大学総合理工学研究科 「STAMP講座経営者から学ぶ技術経営 – 経営と品質 – 」

講師: 北山 忠善
元 三菱プレシジョン(株)社長
現 技術経営士

 

2021年6月10日、令和3年信州大学総合理工学研究科STAMP講座において、「経営者から学ぶ技術経営 -経営と品質-」と題して22名の受講者に対して講義を行った。

はじめに…

自己紹介を兼ねて会社人生の長きに亘って担務した光通信事業の分野で、紆余曲折を経て新技術が新事業として事業化された様子をお話しした。技術の実用化は一本道でなく、当初注目されていた技術に取って代わって、時に別の新技術が実用化されることがあり技術マネイジメントの難しさと重要性を述べた。

新技術の事業化における品質の重要性を説く

新技術、新部品には、時に未解明の要素や未熟な信頼性検証が潜む可能性が高い。技術者は機能・性能の向上に目が移りがちであるが、万が一市場で品質問題が発生すると、対応には大変な労力と費用を要し、お客様や会社のみならず、技術者の人生にも大きく影響するという意味で品質重視経営の重要性を説いた。失敗に学ぶという観点であえて失敗経験談および世の中の失敗事例を取り上げ、技術者および経営者はQ(Quality) >D(Delivery) >C(Cost or Profit)の優先順位で判断を徹底することが重要であることを説いた。Q&Aにて学生さんから“ Q>D>Cの判断において組織(上司)の要求と意見が異なった場合、品質を第一と主張し続けられるか”と直球の質問が出た。品質問題は中長期にわたり経営に影響することを冷静に議論すべきであり、技術者は、新技術について詳しく知っているだけでなく、品質も含め適切な市場投入時期を判断できることが大切であると回答した。

最後に…

WEB上に掲載されている5つの品質問題事例を示し、その中から一つ取り上げ講義と関連づけてレポートで論じてもらった。受講生22名のうち20名からレポートの提出があったが、品質問題を、技術者あるいは経営者の倫理問題として取り上げる内容も多かったが、想定外の問題発生時への技術者、経営者としての取り組みを考える学生もあり有意義であったと思う。

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