2021年度お茶の水女子大学 プロジェクトマネジメント特論 ―ICT産業の変遷と未来―

講師: 海野 忍
元 NTTコムウェア株式会社 代表取締役社長
現 技術経営士

2021年6月9日(水)、に御茶の水女子大学のプロジェクトマネジメント特論において、「ICT産業の変遷と未来」と題し、40名ほどの学生を対象に、オンラインにて講義を行った。

1.日本の情報通信産業の概要を説明

本特論の別授業で、既に総務省(旧郵政省)出身の講師より日本の通信事業について解説があったので、今回はNTTグループの概要と、主に情報産業を中心とした説明を試みた。
NTTの概要として組織構造、近年の業績、世界におけるブランド力などをテーマとしたが、就職を意識している学生にとっては有益な情報だったようだ。
IT分野のトピックスとして、クラウド、エネルギー問題、人工知能、自動運転、DXなどを取り上げたが、どのテーマも興味を持っていただいた。従来、地球環境の整備という意味では優等生だった電気通信産業も、消費する電力の増大に伴い膨大なCO2の排出を引き起こしており、SDGsの観点が欠かせない、という解説などは、特に印象的だったようである。

2.技術とマネジメントの関係、ビジネス遂行の考え方を解説

技術だけではビジネスは成功しない、マネジメント、さらには人の心を読むことが大切であることを、複数の事例を示しながら解説した。
また、働きがいのある組織を作るには、各自の責任と権限を明確化することが大切で、それを実現するためのビジネスマトリクス組織の考え方を紹介した。
これから社会に出て実務に携わる学生にとって、一つのヒントを与えることができたと感じている。

3.社会人として実践すべきことを提言

社会人の心得として、自分自身で考えること、自分の責任は何かを自覚することの大切さを説いた。さらに、これからのビジネス界ではグローバルな展開が必須であることを説明し、そこでも相手の方の考え方を知り、よりよいコミュニケーションを成立させることが重要と主張した。
また、社会でリーダシップをとることの大切さ、迷ったときの心構えなどについても、持論を披露した。

最後に…

授業を行った次週には、参加した学生から授業について36通の感想と、25通の質問が届いた。感想も質問も講義内容の多岐な部分に渡っており、それぞれの内容がどなたかの印象に残ってくれたのか、という安堵感を持つことができた。感想にはたいへん長文なものも数行のものもあったが、どれもネットの向こう側でちゃんと授業を聞いていてくれたのだと感じられるものだった。
すべての質問には自分なりの回答を書かせていただき、数日後に大学にお送りした。
Web会議を利用しての授業で、学校の方針として学生の様子は拝見することができず、授業中はどの程度理解していただいているのか全く確認ができないことが不安だったが、このような感想と質問は授業の充実のためには非常に有効であると感じた。
始めて訪問したお茶の水女子大学は、コロナ禍であるためか、ネットの向こうの学生の熱気とは対象的に、静寂で落ち着いた雰囲気を醸し出していた。

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