2021年度お茶の水女子大学「プロジェクト特論」 -時代をリードする次世代通信技術の研究開発-

講師: 手嶋 俊一郎
元 日本電気株式会社 執行役員常務
現 技術経営士

2021年7月7日、「時代をリードする次世代通信技術の研究開発」と題して、お茶の水女子大学にて30数名の院生を対象に、オンラインにて講義を実施した。

はじめに…

情報通信分野を始め、様々な分野における昨今の変化は先を読むことが出来ないほど早く、研究開発においてもこのような変化への対応が重要になっていることから、研究開発における「変化への対応」をテーマに講義を行った。

はじめに、半導体集積度やトラヒック量を例として情報通信での技術や事業環境の変化の大きさやスピードの早さを示し、これまでの大きな変化を実感してもらうと共に、これからも更に加速する変化に対応して、若い世代の人たちが新しい未来を創造していってもらいたいというメッセージを伝えて講義をスタートした。

通信の変遷と変化への対応

この数十年余りの間の通信の変遷を示し、通信技術はアナログからディジタルへ、ハードからソフトウェア化へと大きく変化し、通信利用の中心も固定通信から移動通信へと大きくシフトしたこと。また、その時代その時代に、技術や事業環境の大きな変化によって生じた課題に取り組んできたこと。そして、それらの課題にどの様に対応してきたかを、衛星通信、携帯電話、通信ネットワークのソフト化/仮想化の事例について、研究開発の現場での経験を交えて話をした。それらの経験を通じて、高い目標を持って粘り強くやりきること、専門性を持ちながらも柔軟性を忘れないこと、リーダーシップと協調性を持ち組織力を引き出すこと、などが大事だと感じたことを伝えた。

5Gの時代へ

これまでの通信の歴史の延長線上にある5Gの技術や可能性について、5Gの特徴や、ローカル5G、ネットワークスライシング、ネットワーク運用自動化などのキーワードについて解説した。また、様々な産業で考えられている利用シーンやAIの活用例を紹介し、5Gが産業や生活に大きな変化を起こす期待について話をした。

これからの研究開発に必要なこと

これからの研究開発に必要な「変化への対応力」を高めるためには、社会に出てからも専門を深める努力を続けると共に、常に自分が見えていない領域があると自覚して自由に発想すること、また、他人の自由な発想も受け入れる柔軟性が大事であることを伝えた。

最後に…

今回はオンラインであったので、その場では反応が分からなかったが、後日32件の感想と21件の質問が寄せられた。どの学生さんもたいへん理解度が高く、講義で示した事例や大事なこととして伝えた事柄を、自分の現在の立ち位置や将来の進路と重ね合わせながら真剣に聞いてくれたことが感じられた。質問は、変化への対応力に関するものから技術的な質問まで幅広く、学生さんたちの真摯で前向きな姿勢が感じられると共に、講義に対する手応えを実感することが出来た。

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