大学を豊かに 第2回 

野呂 一幸

『インフラストラクチャの明日を考える ‐20世紀 都市インフラストラクチャの誕生‐』をテーマとして2016年9月23日に日本大学お茶の水キャンパスにおいて理工学研究科電子工学特別講座を開講した。

20世紀は近代合理主義(モダニズム)の時代である。モダニズムの先進性と限界を問う。
このテーマを“ボスポラス海底トンネルプロジェクト” と“スーパーゼネコンの設計の現場”・の二つ視点から考察した。

・ボスポラス海底トンネルプロジェクト

ボスポラス海底トンネル・プロジェクトは、大成建設が土木工事の設計施工のプロポーザル方式(企画提案)で入手した計画であった。実際は国際プロジェクト契約約款に基づく性能発注ターンキープロジェクトであった。様々な困難を乗り越え、プロジェクトを高品質で工期内に納入することが、日本企業が発注者から期待・信頼されるコントラクターになる道であるが、コントラクターのリスクヘッジは一筋縄では行かない。土木工事プロジェクトを国際マネージメント・プロジェクトとして社内コンセンサスを構築し、4年を超える工期延長を乗り越え日本とトルコのODAとして成功させたプロジェクトである。

・スーパーゼネコンの設計の現場

プルンシパル型からネットワーク型に変化したプロジェクトにおいて、発注者がSPC(特定目的会社)化、オーナーコンサルタントが複数化、設計チーム・施工チームがJV(joint venture:建設業における共同企業体)化している。プロジェクトリーダーがプロジェクトをリードする力は何か。多彩な専門機能オーナーコンサルタントから横槍が入る。如何に捌くかプロジェクトリーダーの真価が問われる。チーム、コンソーシアムをリードするのに必要な人間力は古今東西同じである。こうした中、コスモポリタンとしての存在感を示し信念をもって問題・課題に立ち向かう姿勢が重要となる。

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