2020年度お茶の水女子大学「プロジェクト特論」 ―東京における公共交通データのオープン化― 東京メトロの取組みを例に

講師:村尾 公一

元 東京地下鉄(株) 常務取締役

現 技術経営士

 

「東京における公共交通データのオープン化:東京メトロの取組を例に」と題し、2020年6月17日、お茶の水女子大学において、30名近くの院生を対象にオンラインにて「2020年度前期プロジェクトマネジメント特論」を開講した。

 

1.オープンデータコンテストのパワポ説明

当時では、鉄道事業での日本初の運行データのオープン化を実現。

東京メトロの10周年事業を担当し、都庁時代から考えていた、所有データのオープン化による、オープンイノベーションの取組として、東京メトロ利用をより便利にするアプリケーションを作成して頂き、その優劣を競うコンテストを実施した。この取り組みは、鉄道事業者としては日本で初めての試みであり、社内の合意形成を図る過程を説明することの視点を解説。アプリケーションをデータから分離することで、作成者と利用者とメトロの責任分界点を明確にすることのメリット等を説明した。新たな取り組みを如何に社内調整して実現していくか、具体的な事例も加え講義を行った。

 

2.東京都庁での経験を通して出会った実戦的思考方法を紹介。

脳力開発・情勢判断方法について自身が出合い、マネージャーとして苦しい時に見たり、活用していたリーダーの為の指針等を説明。今後社会人として、技術をベースにしながらもマネジメントを如何に身に着けていくかを考えさせる。先ずは自分自身がリーダーであることを認識させるために、「人は、最低でも誰もが自分の人生のリーダーであり、時によって組織や家族のそれになる」ことを伝え、今後組織人に成っても、組織人のリーダーに立つことが無くても、意識を持って人生を切り開いていくためには、誰もがこうした脳力開発方法や情勢判断の知識を具備することの大切さを説いた。

 

3.現在の学びに至る考え方を説明。

理系であることを活かしながら、今後国際化の中で切り開いてく考え方について、趣味も含めて幅広く日本文化を発信できる、若しくは語れる自分を創ることの大切さを語る。

時代は、常に変化して居り、ついこの間までグローバリズムが謳歌されていたが、武漢発祥のコロナにより、世界がブロック化に進む気配が滲んでいる。こうした中で、将来を明確に予想していく困難さは、益々激しくなっている。このような状況の中で、社会に乗り出すには、自己に確固たるものを築いていくことが重要で、それは自己のアイデンティティの確立にある。その意味で、日本文化に造詣を深めることは国際化社会の中で活躍していくためには重要なことと思う。それ故、趣味を大事にして、自己修練を積んで欲しい。

 

最後に…

オンライン講義であったため学生の表情は読み取れなかったが、此方からzoomに表れている学生の名前を頼りに話しかけ質問や感想を引き出せた。年齢的に離れているので、技術的内容はなるべく最近の動きにつながるものを選んだが、感想の中にはオープンデータの意味が分かって居なかったなど、新たな知見に繋がったことは良かったと思う。また、自分の経験をもとに、社会人として生きていく上での考え方の背景や思考の方を提示することは、学生にとって貴重な経験となると思う。その意味で、この活動は社会に大いに意義がある活動と思う。

講義後、学生から講義に対する感想が21件、講師への質問が17件寄せられた。概ね自分の意図するところが伝わり、好意的感想と自分のこととして考える真摯な質問が多く講義のし甲斐があった。

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