2020年度お茶の水女子大学「プロジェクト特論」― エネルギーって何だ ―

講師:越智 洋

元 中部電力株式会社 副社長

技術経営士

 

2020年7月8日、「エネルギーって何だ」と題し、お茶の水女子大学の院生20名強を対象に、オンラインにて「プロジェクト持論」を開講した。

講義の概要

エネルギーは、日本にとって「安全保障」、地球全体にとって「資源」と「気候変動」の問題である。しかし、現実に、何がどう問題なのか理解しにくい点が多い。そこで、その問題点を具体的に解説し、今後のエネルギー問題に取り組む次世代へのヒントにしてもらうべく、本テーマを取り上げた。

 

1.エネルギーの定義

エネルギーは、自然界に存在する物に、何らかの加工を加えて人類が使用する物である。そこで、自然界に存在するエネルギーの量と、人類が使用するエネルギーの量を同一尺度で計測する手段が必要になり、ジュールと言う単位により、熱・動力・電気等を定量的に計測する手段とした。その結果、相互に変換した場合でも、有効に変換できた部分とロスになった部分を分離計測可能になった。

その他、化学変化や物理化学において、潜熱・顕熱、原子崩壊の質量欠損等に関する概念も全てジュールとして、定義されている。

その後、エネルギーを数値として用いる場面が、多岐にわたり(微小から膨大まで)ジュール以外の単位が必要になり、cal・wh・eV・TOE等定義されたが、何れも相互に換算可能(桁数が大きく違う)である。

 

2 エネルギーの規模感

地球が太陽から受けるエネルギーを100%とすれば、その30%は、直接反射し、70%は、一旦吸収し、その後発散する。吸収した内20%は、気化と降雨を繰り返し、時間調整する。。その他、内部発生0.03%、人類が使用するエネルギー0.01%や、森林での吸収0.005%等が考えられる。

 

3 人類が使用するエネルギー

人工的に世界で消費するエネルギーの80%は化石燃料である。その内35%は、発電に使用される。

化石燃料によるCO2発生量は、年間空気量の4ppmでその約50%は、森林等に吸収 され、毎年2ppm弱が残留し全体のCO濃度を高めている。

化石燃料発のCOを半減する為には、発電全てを、非化石化して、更に15%の改善が必要である。

エネルギーの利用形態を電化すれば、省エネになる場合もある。

 

4 発電非化石化の問題点

太陽光発電は、パネル設置面積が、膨大に必要

原子力は、当面の解決になったとしても、増殖炉の実用化が無ければ、資源枯渇は避けられない

 

最後に・・・

今回の講義は、問題の整理のみで、解決策は、皆さんで考えましょうと言う終わり方をした。学生からも、エネルギーを考える機会となったとの感想も、多くあり、趣旨は理解されたと思う。

エネルギー問題は、未だ、完全な解決策は見いだせていない。私見としては、現在の科学技術水準から見て、実現可能性は、1. 増殖炉実用化なった原子力、2. 面積問題を解決した太陽光、3. その他の順番であるが、今後、エネルギーに対する自らの意見を発信する人が増える事を期待したい。顔の見えない講義であったが、丁寧な感想を頂き、感謝している。

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