「設計力®」とはやりきる力 【毎水曜掲載】

㈱ワールドテック 寺倉修

二十三回 ものづくりへの「こだわり」

-「守るべきWAY」と「変革のWAY」の両立

 

「設計職場の風土は?」と聞かれた何と答えますか。期待はこうです。「守るべきWAY」と「変革のWAY」が両立している。

それではWAYとは何でしょうか。企業に創業時の精神があるように、設計部署にも職場ができたときの「思い」や「精神」があったはずです。この精神を踏まえ、職場のこだわりや文化が創られてきました。それをWAYと呼びます。設計職場には無くてはならないWAYが2つあります。それが、守るべきWAYと変革のWAYなのです。

まず、「守るべきWAY」。守るべきもの、それは創業の精神であり、「品質第一主義」であり、「納期厳守」であり、「コストヘのこだわり」です。

筆者のいた自動車部品の設計職場は、品質問題が起こると、指示されなくても対策に取り組む。顕客への報告が遅れそうになった場合、だれに言われるまでもなく、遅くまでデータ取りを行い納期に間に合わせ。コストも目標をクリアするまでは、あきらめずに切磋琢磨。「品質」「納期」「コスト」を「守ろう」と、自然と体が動く職場であったのでしょう。

一方、「変革のWAY」は、新たな技術や新しい製品設計への「挑戦」です。当時、新しい製品の設計に際し、多くのメーカーに相談する機会がありました。設計者と打ち合わせをしていると、その職場の雰囲気が伝わってきました。いきいきとしていて、その職場の「活力」が伝わってくる。逆に、「十年一日のごとく」との印象を受けることもありました。

活力とは、今日より明日は一歩でも前進しようと取り組んでいる雰囲気のことです。これはハイテク企業の専売特許ではありません。プレス加工や樹脂成形、切削加工など分野に関係なく、より高品質のもの、一歩でも技術レベルの高いものへ切磋琢磨、挑戦し続けている企業のことです。このような職場は活力にあふれています。

反対に、ある企業は特徴のある技術を持っていましたが、驚くことにその技術は10年もの間、全く進歩していませんでした。一定のレベルに達した技術が、そこで止まってしまっていたのです。話していても、その技術をさらに進化させようとする雰囲気は微塵(みじん)も感じられませんでした。まさに、「変革のWAY」の欠如です。

筆者の経験から、設計職場の製品やそれを支えるコア技術は、10年も経てば大きく変わってしまいます。新しい技術を取り込み続けることは大変ですが、その反面、設計者としてスキルを伸ばす絶好の機会です。この壁を乗り越えていくチャレンジこそが「変革のWAY」なのです。

「守るべきWAY」と「変革のWAY」が両立しているか、一度振り返ることも大切です。

ー以上ー

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