「設計力®」とはやりきる力 【毎水曜掲載】

㈱ワールドテック 寺倉修

第27回  設計リーダーとは

-課題を先送りせず 最小限のデータで決断

 

設計は、お客様のニーズの把握から図面を次の工程に渡すまで、長くてタフな道のりです。この道のりを一歩一歩着実にこなすのが、設計リーダーです。

進みが順調なら、担当者に任せておけばよいのですが、現実はそんなに甘くありません。課題が後からあとから湧いてきます。「性能に影響するような大きな不具合」から、「少し組み付け難いので見直して欲しい」という現場の声など、山をなします。

対応がまずいと、スケジュールの遅れが半端でなくなり、ひいてはものの出来栄えまでも大きく影響を受けます。まさに、設計リーダーの力量、「適正な判断」と「適切な指示」が試されます。

とは言え、いつも簡単に処理できるとは限りません。設計課題は4つに分類できます。「①対策が分かっていて確認だけ行えば済む」、「②対策はあるのだが、選択肢が複数あり、品質・コストなどバランスを詰めていく必要がある」、「③おおよその案はあるが、成立するかこれから見極めが必要」、そして「④対応策が見えていない」の4つです。

最初の2つは担当者への指示とフォローで、時間とともに解決できるでしょう。後の2つへの対応で、設計リーダーとしての資質が問われることになります。

「③ 案はあるが成立するかこれから見極めが必要」なケース。リーダーは担当者へ確認方法を指示し、得られたデータを基に判断を下さねばなりません。しかし、直ぐに判断できるとは限りません。リーダーは判断に苦しむと、追加のデータを取るよう担当者へ指示するのですが、これをぐるぐる繰り返すと、スケジュールはどんどん遅れます。実は、設計リーダーが陥りやすいのが、このパターンなのです。かく言う筆者もそうでした。決断が出来ず、担当者に負荷をかけ続けたのです。スケジュールが後ろ倒しとなり、設計メンバーのみならず、生産関係者までしわ寄せが及びました。リーダーとしては未熟の至りでした。

設計リーダーは安易に判断を先送りしてはならないのです。最小限のデータから、いかに決断できるかが、問われます。

「④ 対応策が見えていない」場合は、一層設計リーダーとしての資質が問われます。速やかに手を打たねばなりません。上司に報告・相談をし、人員や開発費を追加確保する活動を行う。他の組織の力を借りる、納入先との技術交渉が必要な場合もあるでしょう。まさに、設計リーダーとして、組織を動かす力量が問われます。

以上、設計リーダーとは、課題を先送りせず、必要最小限のデータや情報を基に、適切な判断をする。他の組織の力を借りたり、納入先との技術交渉を、迅速かつ果敢に対応する、人です。

ー以上ー

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