「設計力®」とはやりきる力 【毎水曜掲載】

㈱ワールドテック 寺倉修

第三十六回 自動車部品の成長パターン

-「類似製品」「次期型製品」の順番で進化する

 

欧米や中国など相次ぎ、自動車の電動化に向けた方針を打ち出しています。日本もしかりです。電動化はまだ先との感がありましたが、あっという間に様変わり。中小企業の経営者の方々も、5年、10年後に自動車部品がどのように変わるのか、今受注している部品は減るのか、どうなっていくのか、見通す必要性が高まっています。

ところで、生産数量が思ったほど増えず、気が付けばなくなっている部品が結構多い中、生産数量が順調に増える部品もあります。

実は、生産数量が増える部品は、その部品が組み込まれる顧客の部品(以下、製品)が「成長パターン」を歩んでいるのです。今回は、この成長パターンを取り上げます。

自動車に搭載される製品は、技術や構造などの新規性の視点から4種類に分類できます。「革新的な製品」「類似製品」「次期型製品」「次世代製品」です。生産数量が増える製品はこれら4種類に形を変えながら進化します。これが成長パターンです。

こうです。「革新的な製品」は、それまで世の中になかった、あるいは全く新しい発想に基づく方法や手段で出来るようになった、などといった製品です。この製品が車種展開(さまざまな車への搭載)される度に、取り付け形状を見直すなど、小さな変更を施した「類似製品」が造られ、生産数量が増加していきます。

次に、「次期型製品」が投入されます。車両メーカーの要望や市場の評価を踏まえ、性能や機能の向上や小型化、コストダウンを狙ったものです。いつ投入されるか、製品を取り巻く状況によりますが、例えば3、4年後といったところ。タイムリーに次期型製品が投入されると、次期型をベースとした「類似製品」が生産され、数量はより増加します。

そうこうするうちに、メカニカル方式をエレキ化するような、技術が2ランクアップした、所謂「次世代製品」が投入されます。 生産量が一層増えることは言いうまでもありません。

このように、生産数量が増える製品は「革新的な製品」、「類似製品」、「次期型製品」、「次世代製品」の順に形を変え進化します。

とは言え、多くの製品は鳴かず飛ばず、いつの間にか消えてしまう。今受注している部品は、成長パターンに乗った製品に関係しているか。更には、今後電動化はどのように進むのか、電動化に必要な製品の成長パターンはどのようなものになるのか。顧客との打ち合わせの機会をとらえるなど、情報収集が大切です。

ー以上ー

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です