「設計力®」とはやりきる力 【毎水曜掲載】

㈱ワールドテック 寺倉修

第三十九回 高年齢者雇用安定法に思う

- 技術・管理の経験 ともに活きる

高年齢者雇用安定法が改正され今年の4月から施行されています。希望する者に70歳までの就業機会を確保することが企業の努力義務となりました。

当社は、10年以上前から「全ての中高年に生きがいと笑顔を実現する」というビジョンを掲げ、100人近い企業OBがものづくりのボトムアップに取り組んでいます。定年はない。70歳を超えても、メンバーは経験を活かし、期待以上の成果を出しています。

だが、65歳や70歳を超える人を取り巻く環境は、50代や60代前半の延長線上にあるとは限りません。疲れやすくなったり、病院通いが増えたりします。更に、親の介護や伴侶が体調を崩すなどで、仕事を続けることが困難になるという、本当に厳しい現実があります。

そのため、企業の都合をともかく優先するという考えは全く通用しません。当社は、この現実を踏まえ、勤務時間も日数も本人の申告が基本。アウトプットのレベルと期限を合意すると、あとは本人に任せています。年齢が高いということは経験が豊富、知見や知恵では一日の長があります。積み重ねた経験を活かせる得意な仕事に特化すれば、成果が出せます。

とは言え、多くの方は、「ここ何年かは管理間接の仕事で、技術から遠ざかっている」と言われる。技術から遠ざかっているので、出番はないと思われているのです。

しかし、それは思い込みにすぎません。管理の経験を活かす場はしっかりあります。「第18回優位性と信頼」で取り上げました。ものづくりは、「技術」は「必要条件」、「管理や仕組み」が「十分条件」、各々が「両立」すれば顧客の期待に応えることができると。

こういうことです。顧客は、相手の企業に技術があるというだけでは発注しません。「このレベルの部品なら安心して任せられる」、もっと言えば「100万個造っても1個たりとも品質不具合を出さない」という判断を大切にするはずです。

仕事柄、中小企業の経営者とお会いする機会があります。話しの節々から「技術さえあればなんとかなる、受注できる」との強い思いが伝わってきます。その時私は、この職場は管理や仕組みを技術と同様に重点的に取り組めば、品質不良の件数はもっと減り、顧客からの信頼は更に高まる、元管理経験者の活躍できる場がここにある、と思うのです。

なぜなら、元管理者は、かつては仕組みを推し進め、根付かせることが大切な仕事だったからです。

長年積み上げた経験を活かせば、活躍できる場が社内外にあります。高齢者の皆さん自信を持っていただきたい。

ー以上ー

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