「設計力®」とはやりきる力 【毎水曜掲載】

㈱ワールドテック 寺倉修

第四十回 真の原因を裏返せば対応策

-なぜなぜ分析で 労を惜しまず議論

 

先月、3月決算の多くの企業が業績を発表しました。決算書を前にし、今期こそは自社製品や部品をものにと、意気込む経営者も見えるでしょう。はやる気持ちは分かりますが、一呼吸おいて欲しいのです。

一呼吸おいて何をするのか? 今迄の取り組みを振り返ります。何のため? これまでの仕事のやり方の「問題点」を明らかにするためです。「うわべ」でなく、本当に何がいけなかったのか、「真の原因」を見極めます。

真の原因は素晴らしい価値があります。「対応策」がおのずと決まります。実は、「真の原因を裏返す」と、それが対応策なのです。

筆者の経験です。90年代当時、フランス・ルノーが日産自動車へ資本参加、ドイツ・ボッシュが日本の自動車部品メーカーを子会社化するなど、経済活動のボーダーレス化(国境がなくなる)が進み、自動車部品は価格破壊の波が押し寄せていました。

筆者の小さなチームも、手持ちの部品の拡販だけでは現状維持すら困難な状況が目の前に迫っていました。そこで、売り上げ増を目指し、新たな自動車部品の開発を掲げたのです。

直ぐに課題が立ちはだかりました。開発する部品をいかにして選ぶかでした。そこでは少し知恵を絞りました。一呼吸おいたのです。

こうです。まず、それまでの仕事のやり方を振り返りました。「数多くの部品を設計してきた。にもかかわらず、このように売り上げが小さいのは、今迄のやり方にまずさがあったからだ」「真の原因を踏まえ、開発する部品を選べば、同じ轍を踏むことはない」と、取り組んだのです。

「真の原因」の見極めは「なぜなぜ分析」をもちいました。ご存じの通り、「問題点」をなぜそうなったのか、なぜそうなのか、なぜなぜと何度か繰り返し、「真の原因」を見出す手法です。

問題点を、「売り上げが小さい部品ばかり手掛けてきた」とし、原因をなぜなぜと掘り下げました。定期的にメンバー間で議論を繰り返しました。壁に当たると、成功体験などを情報収集。規模や分野が似ている部品メーカーなど複数のメーカーへの聞き込みまでトライしました。なぜなぜ分析は時間を惜しまず何度も議論する、これが大切です。そうすれば、真の原因にたどり着くことが出来ます。こうして、開発する部品は「大きな売り上げが見込まれる汎用システムを対象に、世界に通用する部品を選定する」と決めたのです。

仕事がうまくいかないとき、真の原因を見極めて下さい。なぜなぜ分析をお勧めします。真の原因の見極めには労を惜しまないこと。なぜなら、それを裏返せば、対応策が決まるからです。

ー以上ー

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