「設計力®」とはやりきる力 【毎水曜掲載】

㈱ワールドテック 寺倉修

第一回「設計力」と現場力」はものづくりの両輪

         ―設計段階の取り組みを現場の5Sのごとくに

 

今や製造業は100年に一度の変革期に突入した—。IoT(Internet of Things)や人工知能(AI)など新たな技術が登場し、ものづくりの世界を劇的に変えつつあります。とはいえ、どのような技術が登場しようと、製造業の基本に変わりはありません。それは、競合企業に対し品質やコストの面で「優位性」を確保し、お客様の「信頼」を保ち続けることです。この普遍的な課題の要となるのが、一つにはカイゼンなどの「現場力」、もう一つには設計段階をやりきる力「設計力」です。「現場力」と「設計力」は「ものづくりの両輪」です。

さて、2018年版の「ものづくり白書(経済産業省)」に筆者の提言が取り入れられました。その趣旨は、「設計段階から品質管理を意識した仕組み作りを行わなければならない。ミスがある設計や、品質担保が難しい設計になっている場合は、製造現場でいくら現場の技術者が頑張って品質管理に取り組んだとしても品質担保が難しくなる」ということです。

ところで、企業は設計というものをどのように捉えているのでしょうか。仕事柄、多くの設計者に問いかける機会があります。例えば、「CAD を扱えば設計と思う」という答えからは「とにかく図面を描けば加工ができると考えている」ということが分かります。「CADに座るまでに技術計算、技術検討は行っている」という回答からは、「しかし、余裕度、安全率など定量的な検討は行っていない」という問題点が分かります。「安全率や余裕度の定量的な検討は行っている」という返答からは、「しかし、設計の手順が担当者任せで、設計品質が安定しない」という課題が見えてきます。なぜこのように、考え方や理解が大きく異なるのでしょうか。

筆者はこう考えます。今まで、設計段階のありようが取り上げられることはほとんどありませんでした。設計のあるべき姿が共有されていないのです。

企業は、昨日よりも今日、今日よりも明日、品質を良くしよいと取り組んでいます。しかし、「設計変更件数」は10年前から現在まで右肩下がりになっているのでしょうか。 今まで、多くの設計者に問いかけましたが、年々良くなっているという意見は皆無といってもよいでしょう。設計段階の取り組みにもカイゼンが必要なのです。

それには、設計段階の取り組み「設計力」を「現場力」の5S(整理、整頓・・)のように、普遍解として職場で共有化し、浸透させることが大切です。

 

変革期を迎えた今、「設計」という視点からものづくりを見つめ直す。

―以上―

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