「設計力®」とはやりきる力 【毎水曜掲載】

㈱ワールドテック 寺倉修

第七回決裁会議は真剣勝負の場

    -報告者はプライドをかけ、決裁者は相応しい心構えで

 

決裁の場で図面がOKとなり手配、ところが、部品が組み付かない、設計通り動かない、はたまた納入先から呼び出しを食らう、筆者のかつての経験です。同じという方も結構見えるのではないでしょうか。

担当者から職場のTOPまで、全員が良し、と判断(決裁)したにもかかわらず、品質不具合が起きるという不思議なことが日常茶飯(少し言いすぎ?)。そう、「決裁会議」は難しいのです。

決裁は「仕事が一区切りつく節目」とセットです。それぞれの企業は、歴史の中で積み上げてきた「設計プロセス(手順)」を備えています。設計手順には必ず大小の節目があり、そこで決裁が行われます。

中でも大きな節目の決裁は、「構想設計から詳細設計へ移行してよいか」「図面を次の工程へ送ってよいか」「製品を出荷してよいか」など、大変重い判断の場です。設計・品質・生産技術・生産管理・生産など、全ての関係者(部署)からの報告や意見を踏まえねばなりません。関係者が一堂に会する決裁会議の出番です。

その場の決裁者の職位は、取り上げる部品の重要度で決まります。新規性の高い製品や生産規模の大きなものは、品質担当役員や企業のTOPです。

ところが通常、決裁者は決裁内容について、報告者ほど詳しい知見は持ち合わせてないのです。決裁者が適切な判断を下すには、決裁会議という限られた時間内で、報告される内容を正しく理解できねばなりません。それには、報告者は設計内容を、分かりやすくかみ砕いて、かつ抜けなく説明しなければなりません。

こうです。目標値(性能や信頼性やコスト)が妥当であることを根拠を踏まえ報告し、技術課題は理論的に成立しており、かつ試験・実験で定量的に検証できていることを示します。加えて、試験条件や試験方法も具体的に示し、そこから得られたデータをどのように処理したかや、合否判定の基準についても明確に説明しなければなりません。こうした分かりやすい報告が決裁者の正しい判断を促します。

このような決裁の場を設けることは容易ではありません。決裁の場に「報告者はプライド」を懸け臨み、「決裁者はそれに相応しい心構え」で受けます。決裁会議は社内といえども甘えは許されない「真剣勝負の場」です。

納入先や市場で品質不具合を起こしたら、報告者と決裁者は真剣勝負で臨んでいたかを、振り返ることが望まれます。

決裁会議で大切なのは内容と質です。「やった」という実績づくりを決して目的にしてはならないのです。

ー以上ー

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