「設計力®」とはやりきる力 【毎水曜掲載】

㈱ワールドテック 寺倉修

第八回CADに座るまでを大切に

    -組織間を束ねて 顧客と技術折衝

 

CADの前に座っていれば設計者? そう、少し物足らないですね。設計に携わる人はCADを扱う(技術検討を含む)技術屋さんに留まるのでなく、「設計者」であって欲しいのです。設計者はCADに取りかかるまでに、大切な「役割」が二つあります。

一つ目の役割は「組織間を束ねる」です。これは、設計者(あなた)は社内の関係者から、「一緒に仕事をしよう」と思ってもらえていますか、ということです。

図面は、設計以外に生産技術、生産、品質、材料、調達、企画など全ての関係者の総知・総力を注ぎ込んでやっと「まっとうな図面」となります。「図面は全社で描く」のです。

そうなのです。関係者全員が力を合わせれば、品質不具合を出さない、かつ利益を生む図面ができるのです。

だからこそ、関係者が同じ目標に向かって取り組むよう、全員のベクトルを合わせねばなりません。これが「組織間を束ねる」です。

なぜ、あなたがこの役割を担うのか。設計段階では設計者が対象製品を最もよく知っているからです。

二つめの役割は「顧客との技術折衝」です。これは、あなたは顧客の技術者から「共に切磋琢磨していこう」と頼りに(信頼)されていますか、ということです。

なぜ、あなたが顧客から信頼されねばならないのか。それは顧客から発注を得る可能性を高めるためです。ところが、あなたは受注のキーとなる立場であることを忘れがちです。

例えば、顧客の技術者が、新製品を構成する主要部品を、仕入先部品メーカーとこれから一緒に設計を進めたいとします。A社のA 君、B社のB君 、C社のC君のだれに電話しようかと考えたとき、「3社とも技術力はある。中でも、A社のA 君は最も信頼できる」と考えA君に電話する。B社とC社はその時点で失注の可能性が高まります。

あなたが顧客の信頼を得たいなら、以下の二つのことを行ってください。

まず、顧客との打ち合わせで受け取った技術課題(宿題)は、技術報告書にまとめ、約束した期限は守る。プラス、報告内容は「理論に則り、定量的検証」を踏まえることを旨とします。

次に、顧客の前では、報告書を「分かりやすく」説明する。それには、読むのではなく、行間を含め自分の言葉で話す。重要な報告はリハーサルの労を惜しまないことです。顧客に内容を理解頂いて、初めてナンボです。

「設計者」とはCADの前に座るだけでなく、まっとうな図面を描くため関係者のベクトルを合わせる、受注するため顧客から信頼される、人です。心掛けてください。

ー以上ー

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