「設計力®」とはやりきる力 【毎水曜掲載】

㈱ワールドテック 寺倉修

第十回 管理者は設計の手順を説明できますか

     -3つのプロセス:基本・サポート・マネジメント

 

設計の担当者から「こんなに多くの手順をやらないといけないのですか」と聞かれたら、管理者であるあなたは「なぜこのようになっているのか」を説明せねばなりません。担当者が納得すれば、持てる力を発揮するでしょう。

「説明できるかな」と悩まなくても大丈夫です。実は、職場ごとに設計手順の詳細は違えども、基本構成は同じなのです。この点を理解すれば説明は簡単です。(以下、設計手順を「設計プロセス」と呼びます)

多くの場合、設計プロセスは3つのグループが組み合わさっています。「基本プロセス」、「サポートプロセス」、「マネジメントプロセス」です。プロセスの基本構成が同じとは、この3つのグループのことです。順に説明します。

一つ目の「基本プロセス」。これ無くしては設計が成り立たない取り組みで、行うことは4つあります。大よそこのような設計をしようと考える「構想設計」、次に形状や寸法を詳細に決める「詳細設計」、更に試しにものを造る「試作品手配と評価」、その結果これで大丈夫となれば図面を次の工程(生産技術など)へ渡す「出図」です。全ての設計職場が避けては通れない取り組みです。

しかし、次の工程に渡す図面に不備や検討抜けがあれば、品質不具合が起こり、出るはずの利益も無くなります。筆者も経験しましたが、図面の質を高めねばなりません。

二つ目の「サポートプロセス」の出番です。寸法は定量的な根拠を踏まえ、生産現場の知見も取り入れる「公差設計」、過去の失敗を振り返り、今の設計に活かす「過去トラの反映(連載の第4回目で取り上げています)」、納入先にお願いして試しに組み付けてもらう「組付け確認」、更になぜなぜ分析・要因分析などの「品質管理ツール」の活用。これらは、基本プロセスをサポートし図面の質を高める取り組みです。あなたの職場に一つや二つ必ずあります。

三つ目の「マネジメントプロセス」。第5~7回目で取り上げたデザインレビュー(検討・議論)や決裁会議です。検討抜けや不十分なところを気づき、図面を出してもよいかなど設計の節目で決裁を受けます。職場にあることは、言うまでもありません。

このように設計プロセスは「基本」「サポート」「マネジメント」の3つのグループから構成されます。管理者のあなたには、この基本をしっかり認識して欲しいのです。更に詳細な手順を常に見直し、カイゼンし続けてください。そうすれば、「やらなければいけないのですか」との問いかけに、自信を持って答えることが出来ます。設計プロセスをよく知る、設計管理者の重要な仕事です。

ー以上ー

 

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